国家資格であるITパスポートは、いまやビジネスパーソンだけでなく、学生にも取得が推奨されている、情報処理分野のエントリー資格です。
ITパスポートを受験することで、ITに関する技術的な知識だけでなく、企業経営や会計、法律に関する知識まで、ビジネスで必要となる知識を幅広く修得できます。
Contents
ITパスポートにはどのような人が応募しているのか?
(引用:【ITパスポート試験】応募者データ)
ITパスポートの受験者数は毎年右肩上がりに増えており、資格の社会的認知自体も年々高まってきているといえそうです。
また、「情報処理分野のエントリー資格」という位置づけなので、ガチガチの技術者だけが受けるのではなく、非IT系企業に勤務している社会人や高校生・専門学校生なども受験しています.
実務未経験でこれから勉強していきたい、といった方にもおすすめできる資格です。
ITパスポートの試験内容
項目 | 内容 |
試験時間 | 120分 |
出題数 | 小問:100問(*1) |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 | ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
合格基準 | 総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること
総合評価点 分野別評価点 |
試験方式 | CBT(Computer Based Testing)方式(*2) 受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。 |
採点方式 | IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出します。 |
まとめると、
- 問題形式は4つの選択肢から1つを選ぶマークシート方式
- 6割が合格ライン。ただし、ストラテジ・マネジメント・テクノロジが全部3割以上を超えていなければならない(例えば、ストラテジ・テクノロジが全問正解、マネジメントが2割の正答率だと落ちる)
- 試験はPCを用いて行われる(自宅で受験できるわけではなく、あくまで試験会場に行かなければならないことに注意)
という内容になっています。
ITパスポートの難易度・合格率
IPAが公表しているデータによれば、2018年の累計合格率は以下のようになっています。
(引用:IPA ITパスポート試験結果)
社会人であればIT系・非IT系ともに半分以上の受験者が合格をしています。
非IT系のほうが合格率が高いのが意外に思われるかもしれませんね。
ITパスポートは技術的な知識だけでなく、「マネジメント」や「ストラテジ」といった試験範囲があり、これらの試験項目で正答率が30%を切ってしまうと合格することができません。
技術力に自信がある方も、マネジメント・ストラテジで足をすくわれないようにしっかりとした対策が必要です。
より詳しいデータは、ITパスポートの公式サイトに掲載されています。
ITパスポートの受験料・申込み
5700円(税込)となっています。
ITパスポートは一度取得したら更新不要で、かつ失効することがないのでかなりコスパは良い資格です。
申込み要領の確認・実際の申込みはIPA公式サイトから
ITパスポートの試験対策
おすすめの勉強法
参考書を一冊買って軽く流し読みしたら、過去問に挑戦してみて、わからなかったところを参考書に戻って確認する。
これを繰り返すのがおすすめの勉強法です。
参考書を何冊も買ってしまう人がよくいますが、一冊をやり込めば十分合格可能ですし、そちらのほうが効率的です。
また、「まずは参考書を完璧にしてから過去問に入ろう…」というのも一見良さそうですがあまり効率的とはいえません。
合格ラインが6割なので、例えば過去問を2~3回解いて
- ストラテジ 30%
- マネジメント 50%
- テクノロジ 80%
という結果が出たら、あなたがやるべきところはストラテジとマネジメントで、テクノロジは一旦勉強しなくていいわけです。
まず過去問に挑戦しないと、このように自分ができないところ、集中して勉強するべきところがわからず非効率な勉強になってしまいますよね。
なので、早めの段階から過去問を繰り返し解いていくことを推奨します。
ITパスポートの参考書
ITパスポート対策の王道かつ最もおすすめできるのが、この「栢木先生のITパスポート教室」です。
IPA公式の基本書はやや「お堅い」感じの解説で、初心者にはとっつきにくいかと思います。
栢木先生のITパスポート教室では、イラストや図解・例え話などが豊富に使われていて、「コンピュータの内部の仕組みとか全然わからない!」人でもわかりやすいような構成になっています。
よくでるところをやさしく,しっかり解説
非IT系の社会人や学生さんからも熱い支持をいただいている,ITパスポート受験者のための参考書です。
最新の傾向を分析し,出題頻度の高い分野を中心に,イラストや豊富な図解・例え話を駆使して理解しやすく・
記憶に残りやすいように説明し,「〇〇とくれば××」方式で重要ポイントを再確認。
さらに関連の本試験問題をすぐ解くことで,知識が定着し応用力もつきます。
平成31/01年版は重要部分を中心に増ページ。
シラバス4.0で追加される用語もバッチリ押さえています。
無駄なく効率よく短時間で合格レベルに到達することができる,受験者必携の1冊です。
ITパスポートの過去問
過去問題集は基本的に内容はほとんど変わらないので、どの本を購入しても良いかと思いますが、こちらの過去問題集はKindle版ならば1080円と格安で購入できるのでおすすめです。(紙の本だと2376円)
資格試験のオンライン学習サービスもあり
参考書・過去問の独学だけではどうしても難しい…という方には、オンラインで学習できる資格スクエアを利用してみるのも良いかと思います。
全43回の網羅的な講義と実践演習をこなすことで学習効率を向上させることができます。
ITパスポートを取るメリット
ITパスポートを取得すると、「情報処理に関する基礎的な知識がある」と、国から認定されたことになります。
もしあなたが資格手当制度を導入している企業に勤めているのであれば、ITパスポートを取ったことでいくらか手当が支給されるかもしれません。(上位資格に基本情報、応用情報が控えているので、あまりガッと上がることはないかもしれませんが。。。)
Itパスポートを取得したら次の「基本情報技術者試験」にもぜひチャレンジしてみましょう。
まとめ
- ITパスポートは未経験者、学生などでも受験できる資格
- 技術だけでなく経営やマネジメントの知識もあわせて取得できる
- 試験対策は参考書を横に過去問を繰り返し解くのが王道
- 取得したら給料上がるかも?
- 取ったらそのまま基本情報技術者にもチャレンジ