IT業界知識

外資系のIT企業はなぜ給料が高いのか?【実力主義、自社製品持ち、減給解雇あり】

「外資系IT企業」が給料が高い傾向にあることは、業界内だけでなく一般にも広く知られています。

では、なぜ外資系IT企業の給与が高いのか?

本記事では、その理由について説明していきたいと思います。

外資系の給料が高くなる理由3つ

実力主義の給与体系、高給なだけでなく降給もありえる

外資系企業と日系企業、様々な違いがありますが、給与体系の大きな違いとしては、やはり「個人主義的・成果主義的であること」が挙げられます。

日系企業でも最近ではMBOなどが普及してきて、個人の成果と給与の連動を高めようという動きが出てきていますが、外資系のそれは日本企業の比ではありません。

成果を出せばその分還元されやすいが、もちろん負の側面もあります。

終身雇用が保証されないことはもちろん、外資系企業では給与が大幅に下がることもありえます。

年収1000万円もらっていた社員が、翌年には成果を出せなかったからといってボーナス300万カットされて年収700万円に、というのもよくある話です。

ボーナスが出ることを前提としたローンなど組んでいようものなら…と考えるとゾッとしますよね。

特に厳しい外資系企業では「アップ・オア・アウト」という概念があります。

これは、「昇給しなければもうその会社にあなたの活躍できる居場所はない(退職したほうが良い)」という意味です。

外資系IT企業を就職先として選択する場合には、高給の裏にこういったリスクが潜んでいる、ということだけは念頭に置いておいたほうが良いですね。

そういった熾烈な競争環境の中で、なお外資系企業に残っている人材は、そのような生存競争を勝ち抜いた優秀な人材のみということになります。

結果として高い単価の仕事でもきちんとこなせるプロフェッショナルのみが残ることになります。

突然の解雇は、カリフォルニア州では昔から合法です。アメリカでは州ごとに法律が違うので、すべての州が突然の解雇を許可している訳ではありませんが、かなりの州が「自由意志雇用契約 (At-Will Employment Contract) 」を合法としており、カリフォルニア州はその一つです。「自由意志雇用契約」と言うのは、雇用契約書の中に「この契約は、雇用者、被雇用者のどちら側からも、いついかなる場合も、予告なしに突然破棄できる。また、どちら側にも、破棄理由を説明する法的義務はない」と明記されている雇用契約のことです。(引用:アメリカでは仕事をいきなりクビになることがあると聞きますが、そのクビになった人が持っていた仕事はきちんと他の人に引き継がれるのでしょうか? – Quora )

年功序列なし、手当なし、給与と賞与で還元

外資系企業では社員への給与配分の考え方も日本企業と異なります。

外資系企業では利益はその成果に応じて個々の社員に還元するという、個人主義的・成果主義的な給与配分の考え方をするところが多いです。

日本企業のような年齢給という考え方はあまり存在しません。企業内留保を増やし、給与は終身雇用を前提にした年功型で配分するという日本企業の考え方とは異なります。

外資系では年齢だけで給与が上がるわけもなく、年齢とか関係なく成果を上げ続けなければ「アップ・オア・アウト」により退出させられるだけです。

福利厚生や各種手当についての扱いも日本企業と外資企業では異なります。

日本企業、とくに大企業は「基本給+成果給」以外に残業手当、住宅手当、家族手当などの諸手当部分が厚いのに対し、外資系ではそれらを全部込みの賃金体系であることが多いのです。

外資の給与には日本企業でいう福利厚生にかかる費用が含まれます。

近年は日本企業でもこの福利厚生費の見直しが進んでいる(というか、手厚い手当を維持できなくなってきた)とはいうものの、一部の企業では今も根強く残っています。

逆にいえば、「外資系は手取りが一見多いが、税金で引かれる分、各種手当などを考えると、自分の自由になる可処分所得額という点では、国内大手とそう変わらない場合もある」という可能性もあることに注意しましょう。

とはいえ、基本的に成果を出し続ければたとえ手当がつかなくとも、もらえる賃金は日系企業より多くなるでしょう。結局は自分次第です。

パッケージソフトと一緒にエンジニアの技術力を提供する、強力なビジネスモデル

外資系企業は自社製品を持つ企業が多いというのも特徴の一つです。

IBMやHPなどは自社のハードウェアやソフトウェア製品を売りながら、その製品を熟知したSEを高単価で売りさばくというビジネスモデルを確立しています。

毎回毎回0からスクラッチでシステムを作るより、「ある程度これはどの会社の案件でも使うよね」というモジュールを寄せ集めておいて、実際の開発ではそれを組み合わせる、追加開発する、という戦略を取ったほうが合理的です。

また、IBMやHPのプロダクトはOSSと違いクローズドなものですから、一般の技術者がそこに触れることはできません。

これによって参入障壁を築いているわけですね、

また、ERPパッケージベンダー「SAP」や「Oracle」、CRM(顧客管理)の「SalesForce」も同様の手法を取ってきています。

業務の基幹をシステム導入で効率化するが、その中で

  •  今までの業務オペレーションを変えなければいけない
  • どうしても日本の商習慣にあわない(海外製のパッケージなので)

といった状態が起こりえます。

これを一部は「オペレーション変えて」で押し切る、必要なところは追加モジュールを開発して納品して稼働させる、というのがエンジニアのやるべき仕事です。

システム導入時だけでなく、導入後の運用保守や維持管理でも定額の保守料契約を結び、時と場合によってはSEが一人常駐することになります。

このときに必要なSEは、例えばSalesforceの製品を入れたなら「製品に詳しい」SEを入れなければなりません。

そういった人材は市場にはなかなか転がっていないので、人月単価の契約でも高値での契約をせざるを得なくなりますね。

このようにし、次のシステムリニューアル時にはバージョンアップした製品とともに、高単価のSEを常駐させるというサイクルを実現しているのです。

彼らの収益源はパッケージ価格+エンジニアの追加開発の人月単価+保守料という3つの要素によって生み出されます。

対して日本の多くの会社はパッケージ製品を持たず、できることは繁忙期にエンジニアを人月いくらで売るだけ。。。(こういった会社、悲しいことに死ぬほどあります)

これでは太刀打ちできるわけがありませんね。

ただ、最近では製品の核心となる部分だけを外資系SEに担当させて、それらを組み合わせて構築するのは自社のSEや中小のパートナー企業のSEが担当する、という体制を組むプロジェクトも多くなってきています。

まとめ

外資系IT企業の特長
  • 外資系企業の高給はリスクと隣合わせ
  • 手当という考え方は外資にはない
  • 自社製品+保守料+カスタマイズ開発費で稼ぐモデル